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東日本大震災で津波の被害を受けた宮城県岩沼市の農家「やさい工房八巻」のビニールハウスで育った「塩トマト」が収穫期を迎えた。
同市は沿岸部の農地の大半が津波の被害を受け、現在もほとんど農業を再開していない。同農家でもビニールハウス12棟が全壊、高台の自宅周辺の5棟だけ海水につかりながらもどうにか残った。
残ったビニールハウスの活用を農業支援のNPO法人などが協力し「復興トマト」作りを開始。畑の塩分濃度を低下させる特殊なバクテリアで、6月に苗を植え「塩トマト」として育てた。
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【起動 大震災から5カ月(中)】子供たちがホースで水をかけ合う。「冷たーい」という歓声に「カナカナカナ…」とヒグラシの鳴き声が交じり合う。神奈川県山北町の廃校。東京電力福島第1原発事故で避難対象区域となった福島県南相馬市の小中学生16人が12日まで4日間のキャンプに訪れている。
小学6年の大塚福千(ふゆき)さん(11)は特産の鹿肉カレーをほおばり、「今年はプールに入れないので川遊びがうれしい」と話した。南相馬市は放射性物質(放射能)による健康被害の恐れから学校の屋外プールや校庭の使用を見合わせた。2カ所ある海水浴場は津波で防波堤も砂浜も消えた。
キャンプは南相馬の子供たちに夏を満喫してほしいと山北町や神奈川県南足柄市の有志が企画した。きっかけは南足柄市立岡本中3年で生徒会長の諏訪間亮さん(14)が5月、南相馬でがれき撤去や泥出しのボランティアをした経験を周囲の大人へ伝えたことだった。
諏訪間さんは「ボランティアをしてみて、テレビで見るのとは全然違った。今回のことが縁で足柄と南相馬を何百年もつなぐ懸け橋になれたらいい」と話す。 ◆累計64万6千人が活動
全国社会福祉協議会によると、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県のボランティア受け入れ窓口である各市町村の災害ボランティアセンターへの登録者は、今月7日までの150日間で累計64万6千人。阪神大震災では発生から154日間で122万7千人だった。
登録せずNPO法人や労働組合などの一員として活動した人も相当数に上るとみられ、単純比較はできないが、全社協は「神戸と異なり大都市圏から遠く、当初のガソリン不足や道路の途絶も影響した」と話す。
ただ、阪神では発生2カ月で100万人に達しながら急減し、5カ月目は2万1千人だったのに対し、東日本では毎月10万〜16万人が活動した。5カ月目も10万3800人が働いていた。
阪神以降、数々の災害で活動した富山県魚津市の農業、河内聰雄(こうちあきお)さん(49)は3月17日から宮城県石巻市を拠点に活動してきた経験から「牡鹿半島の旧雄勝(おがつ)町など平成の大合併により周辺部になった地区への行政によるボランティアの派遣が少ない。市中心部に目がいきがちになるからだ。今回、合併の弊害が出ている」と指摘する。
河内さんは現在、新潟・福島豪雨で被災した福島県金山町と石巻を車で往復している。仲間も続々と豪雨被災地へ転戦している。
◆「しっかりしなければ」
東京都狛江市に住む開発コンサルタント会社勤務、成尾和浩さん(29)は先週末、福島県いわき市で津波の被害を受けた「海の家」の片づけと薬局の清掃をした。夜行バスでいわき入りし漫画喫茶へ泊まった。7月の3連休に続き2回目だった。
青年海外協力隊員として中米ニカラグアで農業支援に携わり、現在も発展途上国にかかわる仕事をしている。成尾さんは「震災後、途上国の多くの人から日本のことを心配された。彼らを支援するには、日本がしっかりしていなければならないと思った」と話す。「カムバック0246」と、いわき市の市外局番が書かれた成尾さんの白いTシャツは泥だらけだった。
市内で被害の軽かった地域に住む主婦、村上双美さん(61)は高校の校庭で、がれきや泥を袋に入れる作業に当たっていた。
村上さんは「震災後、おろおろするだけだったとき、遠くから来て働いてくれた方々に、行動する勇気をもらった」と振り返る。
腰は痛くないかと尋ねると、「家で何もしないより、いいわよ」と笑った。
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